11月に公開される首里城正殿で、平成の復元では御差床(うさすか)に設置された琉球国王専用の椅子が、置かれない可能性があることが30日までに分かった。近年の歴史研究では、首里城正殿に国王の椅子が設置されていたとの史料の記述が見られないことが明らかになっている。
平成の復元で設置された国王の椅子
焼失した正殿で、2階の玉座・御差床の中心を占めた国王専用の椅子。尚家の一門会「水魚会」の依頼を受けて前田孝允さんが手掛けた。1993年暮れに完成し、同会から海洋博記念公園管理財団(現・沖縄美ら島財団)に贈った。
頭上の扁額「中山世土」も前田さんが仕上げた。「中山は代々、琉球国王の国である」という意味。清の第4代康熙帝が尚貞王に贈った書を基にした現物は既に制作当時は失われ、文献などを基にして復元。95年に公開された。
首里城公園開園からの収蔵過程
いずれも首里城公園開園の92年時点では収蔵されておらず、徐々に城を文物が満たしていった過程がうかがえる。