普天間に新燃料施設新設、返還目標の明示を求める社説
普天間に新燃料施設、返還目標明示を求む

米軍普天間飛行場に燃料施設が新設される計画が浮上し、2029年の完成を予定している。この動きは、米側が普天間飛行場を永続的に使用する意思の表れではないかとの懸念を呼んでいる。燃料関連施設が整備されれば、飛行場の機能が強化・固定化されることになる。

予算要求と計画の詳細

米国防総省は2027会計年度(2026年10月~2027年9月)の予算要求で、普天間飛行場への燃料施設建設費として3790万ドル(約61億5200万円)を計上した。2027年3月の着工を見込み、既に設計が進んでいる。

日本政府は普天間飛行場の返還に向け、名護市辺野古への新基地建設を「唯一の解決策」として進めているが、今回の新施設が辺野古新基地の使用開始までの暫定的なものなのか、また日本側への説明がどのようになされているのか、県民に知らされないまま計画が進められている点が問題視されている。

返還条件をめぐる認識のずれ

返還条件についても米側から異論が出ている。辺野古新基地の滑走路はオーバーランを含めて1800メートルで、普天間の2740メートルより短い。米国防総省は、緊急時に使用する「長い滑走路」が選定されるまで「普天間飛行場は日本に返還されない」との見解を示している。

日本政府は緊急時の滑走路使用について法的枠組みが整っており問題ないと説明するが、在沖米軍幹部は普天間の使い勝手の良さを評価する考えを公言しており、「問題はない」との説明だけでは県民の懸念は拭えない。

事業費の膨張と国民合意の課題

辺野古新基地の建設事業費は今後さらに膨らむ見込みで、移設総事業費9300億円の約9割が既に支出されている。軟弱地盤の改良工事などで、県は2兆円を超えると試算している。国民合意が得られるか疑問視する声もある。

政府は返還時期を明示すべきだ。新基地の完成予定を含め、政府説明によれば2024年1月の大浦湾側埋め立て着工を起点にすれば返還は少なくとも2036年となる。工事進ちょく状況を踏まえ、普天間の返還時期を目標として関連経費とともに期限を切って示す必要がある。単年度ごとの執行ではなく、事業全体の規模を国民に伝えるべきだ。

時期や総事業費が明示されれば、米軍による新たな施設整備への対応も明確になる。それができないのであれば、新基地建設を止め、新たな危険性除去策をまとめるべきだと論じている。