衆院選沖縄4区全勝、自民「根こそぎ票集め」 現場記者が明かす大混乱の内幕
衆院選沖縄全勝の裏側 現場記者が明かす大混乱の内幕

戦後最短の超短期決戦となった今回の衆院選で、自民党は沖縄4選挙区で全勝する大勝利を収めた。現行制度の導入後初めてのことで、今秋の沖縄県知事選を前に、辺野古新基地反対を軸に結集してきた「オール沖縄」勢力は崩壊の瀬戸際に立たされている。沖縄の政治構図はなぜ、どこで転換点を迎えたのか。取材記者たちが、いまだからこそ語れる沖縄政局のディープな舞台裏を明かすウェブオリジナルシリーズの(上)である。

いるはずのない県議が姿を現した

自公体制が終わって中道が誕生するなど政治構図が激変する中、沖縄でもこれまでの政治勢力の変化が目まぐるしかった。公示日、4区に立候補したれいわ公認の出発式に取材に行くと、いるはずのない那覇が地盤の當間盛夫県議が現れた。

最初は「世の中にはこんなに似ている人がいるんだな」と思っていたら、向こうから手を振ってきたので「本人だ!」と驚いた。維新に所属する當間県議が、なぜれいわの出発式に現れたのか。そこには沖縄の政治勢力の流動性が象徴的に表れていた。

自民候補が県政与党関係者に接触も

今回の選挙戦では、自民党候補が県政与党関係者に接触する場面もあったという。これまでの沖縄の選挙では考えられなかった動きだ。さらに、あえて高市カラーを消した戦略も見られた。高市早苗氏の人気は沖縄でも根強いが、選挙戦ではその色を前面に出さない選択をしたようだ。

名護・本部では不満が噴出し、人集まらずという状況もあった。辺野古新基地反対の象徴的な地域での動きは、オール沖縄勢力の求心力低下を示している。鬼気迫る沖縄市長の「覚悟」も話題となった。

沖縄の公明支持層はどう動いた

沖縄の公明支持層の動向も、今回の選挙結果に影響を与えたとみられる。また、なぜか国場さんの演説スタイルが激変したという。選挙カーがぐらぐらと揺れるほどだったというエピソードもあり、選挙戦の熱気を物語っている。

「やり過ぎ」と自民内部に心配の声も出るほどの動きがあった一方で、沖縄でも高市人気は健在だった。「反自民、だけど」という複雑な有権者の心理も見えてきた。

「何でもあり。根こそぎ票集め」

現場記者たちは、今回の選挙戦を「何でもあり。根こそぎ票集め」と表現する。自民党の組織的な選挙戦略と、オール沖縄勢力の動揺が重なり、結果として自民党の全勝につながった。

この大混乱の内幕は、座談会の(下)でさらに詳しく明かされる予定だ。沖縄の政治構図は、知事選を前に大きな転換点を迎えている。