沖縄県知事選挙は8月27日の告示まで1カ月を切った。既に政策発表をする立候補予定者も現れ、選挙戦は活発化している。沖縄の未来を示す具体的な政策を掲げ、論戦を深めることが求められる。
主要候補者と争点
出馬を表明している主要な立候補予定者は、現職の玉城デニー氏(66)、前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)、元衆院議員の下地幹郎氏(64)の3氏。
争点の中で特に違いが際立つのは、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題への対応だ。玉城氏は辺野古新基地建設を認めず、「一日も早い危険性除去を政府に強く求める」と訴える。一方、古謝氏は辺野古移設を「普天間の危険性除去の現実的な解決策」として容認し、国と県の裁判終結や埋め立て進展を状況の変化として強調する。下地氏は現在の計画見直しを主張し、大浦湾の軟弱地盤を埋め立てない形で「民軍共用」の国際空港を7年で実現し早期解決を図るとしている。
基地問題の重要性
県内では近年、物価高など経済問題が前面に出る一方、辺野古問題の優先順位が相対的に低下した印象がある。生活実感に直結する経済問題への関心が高いのは当然だが、住民の安全や人権に関わる基地問題は依然として県政の最重要課題の一つだ。辺野古の海では埋め立てが進むが、軟弱地盤で工事が長期化し、新基地完成の実現性を疑問視する見方もある。移設問題についてしっかりとした論戦が期待される。
普天間飛行場を巡っては、米国防総省が予算要求に燃料施設建設費を計上し、基地固定化の懸念がある。普天間問題の原点である危険性除去の進め方について、県民に道筋と将来像を示す必要がある。
安全保障と経済振興
安全保障全体の考えも重要だ。自衛隊の南西シフト強化や先島諸島の住民避難計画の検討などへの対応、平和維持・構築の視点も問われる。
経済振興と暮らし向上の手腕も試される。物価高騰の中、賃金上昇が追い付かず、沖縄の最低賃金は全国最低水準にある。高市早苗政権の「骨太方針」では沖縄振興を「国家戦略として総合的に推進する」と明記。知事には、沖縄の発展像、国への要求、経済的自立に必要な施策など、明確な指針と政策が問われる。
投開票日は9月13日。次の4年間を誰に託すか、有権者は候補者の訴えをよく聞き、投票に参加すべきだと、琉球新報社の社説は結んでいる。