辺野古沖でも降下訓練再開 沖縄の負担増す一方だ
辺野古沖でも降下訓練再開 沖縄の負担増す

在沖米海兵隊は21日、名護市辺野古沖合のキャンプ・シュワブ訓練水域でパラシュート降下訓練を実施した。同海域での降下訓練は2009年以来、17年ぶりとなる。米軍は「即応性を維持するため」と説明するが、再開の詳しい理由は明らかにされていない。

例外の常態化が続く降下訓練

パラシュート降下訓練は1996年の日米特別行動委員会(SACO)最終報告に基づき、原則として伊江島補助飛行場で行うことになっている。しかし米軍は2023年から伊江島の滑走路の不具合を理由に「例外」として嘉手納基地でも訓練を実施。日本政府が事実上追認したため、伊江島の滑走路修復後も県や周辺自治体の中止要請は実現せず、「例外の常態化」が続いている。

シュワブ訓練水域については、沖縄防衛局は「米軍基地の使用条件を定めた『5・15メモ』で水陸両用訓練のために使用されることが認められており、SACO合意の対象外」と説明する。

東アジア情勢と連動する軍事強化

回数も場所も拡大傾向にあるパラシュート降下訓練。中国の海洋進出や軍備増強など悪化する東アジア情勢に対応した動きとみられる。九州南端から南西諸島、台湾、フィリピンに延びる第1列島線では日米と中国のせめぎ合いが激化。米軍は島しょ防衛のため「EABO」(遠征前方基地作戦)構想を打ち出し、小規模部隊を分散配置して有事に敵のミサイル圏内で移動しながら攻撃拠点を確保する作戦を進めている。このため既存の海兵連隊が海兵沿岸連隊(MLR)に改編された。陸上自衛隊も島しょ奪還を目的に水陸機動団を編成し、水陸両用作戦に力を入れている。

日米共同統合演習を前に2024年10月に開かれた会見で、当時の吉田圭秀統合幕僚長は民間空港使用の必要性を強調。沖縄では安全保障上の必要性が優先される構図が続く。

抑止力と外交の乖離

防衛力強化で戦争は遠ざかっているのか、それとも対立を深め戦争を引き寄せているのか。防衛担当者は「抑止力の強化」を強調するが、抑止力が機能するのは外交とのかみ合いが前提だ。しかし対中外交は全く機能していない。沖縄戦終結から81年、「戦世(いくさゆー)が再び来るのでは」との不安が県民に広がっている。基地政策の最重要課題である負担軽減は遅々として進まず、沖縄の過重負担を固定化する安保政策は早急に改めるべきだ。