第62回琉球新報賞が、沖縄の振興や経済・産業の発展、社会貢献、スポーツ後進育成の各分野で功績を挙げた4氏に贈られる。沖縄は地上戦を経験し、焦土の中から立ち上がり、米統治下を経て1972年の日本復帰に至った。本土とは異なる歴史を歩んだ沖縄の人々の経験と知恵は、過去の話ではなく、未来に向かう上でも大いに参考にすべきものだ。
沖縄振興功労の上原良幸氏
沖縄振興功労の上原良幸氏は、復帰後に琉球政府が沖縄県へ衣替えした翌年、県庁に入庁。企画部長や知事公室長などを歴任し、大田昌秀県政下では「国際都市形成構想」に携わり、仲井真弘多県政では「沖縄21世紀ビジョン」の策定を主導した。時代の転換期ごとに「ちゃーすが沖縄」と問いかけ続け、2010年からは副知事を3年務めた後、沖縄観光コンベンションビューロー会長も歴任した。
経済・産業功労の呉屋守將氏
経済・産業功労の呉屋守將氏は、東京のゼネコンに就職後、米国留学で環境デザインを専攻。帰郷後、県庁勤務を経て2002年に父・秀信氏が創業した金秀グループの会長職を継いだ。建設事業や小売・流通に加え、会長就任後はホテルやゴルフ場など観光産業に本格参入。グループ内の女性活躍環境づくりにも取り組み、在任24年で沖縄の産業や県民の暮らしを支える企業集団に成長させた。県建設業協会会長などの要職も歴任している。
社会・教育功労の砂川元氏とスポーツ功労の木﨑智久氏
社会・教育功労の砂川元氏は、ラオスで口唇口蓋裂の無償手術を25年以上続けている。きっかけはベトナムでの治療支援への参加で、ベトナム戦争で沖縄から出撃する米兵を目の当たりにした経験から特別な思いがあった。手術を受けた患者から「明日から学校へ行く」「これで結婚できる」との声を聞き、希望への喜びを分かち合ってきた。来年80代になるが、活動への意欲は衰えない。
スポーツ功労の木﨑智久氏は、相撲が盛んな鹿児島県奄美大島出身。日本大学で全日本学生体重別選手権を制するなど活躍し、沖縄では県立高校教員として相撲選手の育成に尽力。中部農林高校相撲部総監督や県相撲連盟副理事長などを務め、全日本学生選手権の団体・個人のほか、国体や教職員の大会でも個人で日本一に輝いた。現在は日本相撲連盟専務理事、全国高体連相撲専門部長を務める。
贈呈式は25日夜に開催
贈呈式・祝賀会は25日午後6時半から、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで開かれる。4氏への感謝と尊敬の思いを込め、大きな拍手を送りたい。その歩みは、これから進む道標のヒントを与えてくれるはずだ。