人の顔が発する情報量は多く、顔から得た情報だけで感情を抱き、それが記憶につながる。そんな「顔」の持つ力をテーマにした映画『顔-かお-』が、桜坂劇場で上映中だ。
盲目の篆刻家の父と母の死
主人公ドンファンは、韓国で最も美しいはんこを刻む盲目の篆刻家の父を尊敬し、支え続けてきた。ある日、名前さえ知らない生き別れた母が、他殺体となって発見されたことを警察から知らされる。
死をきっかけに母親の痕跡をたどり始めたドンファンは、出会う関係者が口をそろえて母のことを「顔が醜い」と表現することに違和感を覚える。
「醜い」で片付けられる社会
母について一切言及しない父の態度にも納得がいかない。一人の人間の生い立ち、性格、人柄の全てが「醜い」で片付けられる異様な社会の集団心理を映像化した衝撃作となっている。
(桜坂劇場・下地久美子)
◇桜坂劇場で上映中