[社説]古謝県政スタート 「負担軽減」が不可欠だ
[社説]古謝県政スタート 「負担軽減」が不可欠だ

自民など6党の推薦を受け、過去最多得票で当選した古謝玄太氏(42)が9月30日、沖縄県知事に就任した。新知事を迎える県議会は「与党的中立」の公明を含む与党が過半数を占め、衆院沖縄選挙区も4区全てを自民が独占。県内市町村も保守系の首長が圧倒的多数を占める。

国政では衆院で自民が3分の2を超え、複数の野党も知事選で古謝氏の推薦に回った。県政にも国政にも「オール古謝」体制と呼べる状況が生まれ、過去にない展開となっている。

「オール古謝」体制の行方

この体制を政策推進力として生かせれば、公約実現に弾みがつく。閣僚と知事が基地問題や振興政策を協議する「沖縄政策協議会(沖政協)」が年内にも開かれる見通しで、2013年以来の開催となる。政府と新知事の「蜜月ぶり」を演出する場になりそうだ。

古謝氏は県庁組織の「辺野古新基地建設問題対策課」を見直す考えを示すが、担当課をなくしても辺野古問題が消えるわけではない。米軍普天間飛行場の返還期日や代替滑走路の確保、軟弱地盤の改良工事、膨大な予算、環境への負荷など課題は多い。

基地負担軽減は「県是」

米軍が海上自衛隊鹿屋航空基地に一時展開している中距離ミサイル発射装置「タイフォン」や高機動ロケット砲システム「ハイマース」について、沖縄防衛局は近く嘉手納基地に移し保管するとホームページで公表した。防衛局の「保管」の説明は明確でなく、恒久配備の第一歩との疑念が拭えない。地元嘉手納町は新たな基地負担につながると強く反対しており、新知事の対応が問われる。

「オール古謝」体制は予算確保では有利だが、国策を押し付けられる懸念もある。日米中の三者関係が複雑化する中、県は基地の負担軽減を「県是」として着実に進め、後退させてはならない。

復帰後世代の知事誕生

復帰後生まれの県知事が誕生するのは初めてで、その意味は小さくない。沖縄戦も米軍統治も経験していない復帰後世代は県人口の6~7割を占める。古謝氏の公約「3つの約束」――(1)手取りを2倍に(2)子育て支援を2倍に(3)観光消費を2倍に――はその世代を強く意識したものだ。実現のためには、これらを県の重点施策に位置付ける必要がある。

出典:www.okinawatimes.co.jp