口腔リハビリで自分らしい暮らしを最後まで 沖縄赤十字病院が地ケア病棟を39床開設
口腔リハビリで自分らしい暮らしを最後まで 沖縄赤十字病院が39床開設

沖縄赤十字病院(那覇市)は2025年10月1日、地域包括ケア(地ケア)病棟を39床新設した。急性期病棟での治療を終えた後、自宅や介護施設などへ入所する患者を対象に、入院療養を続けながら退院に向けた準備を整えるための病棟だ。

長期入院による機能低下と口腔の課題

病気の治療で入院が長引くと、認知機能の低下や足腰の衰えが生じ、退院後に入院前と同じ程度の生活ができなくなることがある。歯科の観点では、虫歯や歯槽膿漏の進行による痛み、義歯の不適合で食べられなくなるケースや、治療中に口から食事をしていなかった患者の咀嚼(そしゃく)力や嚥下(えんげ)力の低下が挙げられる。

口腔リハビリへの取り組み

そのため、地ケア病棟では認知機能や足腰のリハビリに加え、噛む・飲み込むための口腔リハビリテーションにも力を入れる。同院歯科口腔外科は、通常は難しい抜歯や顎・口腔粘膜の疾患を中心に治療。さらに、全身麻酔手術やがんの化学療法・放射線治療を受ける患者への専門的な口腔ケア(ブラッシングや歯石除去、口腔粘膜ケア)を定期的に行っている。

これにより、口の清潔な状態を保ち、肺炎や創部感染、発熱を予防し、療養中でも安心して口から食べられるようサポートする。このノウハウを生かし、どんな状態の患者にも口腔リハビリを導入できる準備が整っている。

退院後の歯科治療連携と今後の展望

ただし、入院期間内での義歯の新製や細かな調整、虫歯や神経の治療までは対応できない。長期にわたる歯科治療は、退院後に地域の歯科医院と同科が連携・協力して継続するため安心だ。

2025年には国民の5人に1人が75歳以上の後期高齢者となる「超高齢化社会」を迎え、認知症高齢者の増加に伴い、地ケア病棟のニーズはさらに高まるとみられる。「お口から食べる楽しみの支援」を多職種と連携してサポートしていくとしており、相談を呼びかけている。(後藤尊広、沖縄赤十字病院歯科口腔外科)

出典:ryukyushimpo.jp