第2次高市改造内閣の発足に伴い、沖縄の軍事力増強がさらに加速する可能性が高まっている。平穏な県民生活に逆行しかねないとして、強い危惧が示されている。
留任した閣僚と県政交代の影響
木原稔官房長官、小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相は留任し、沖縄に関する政策の方向性は基本的に継続される見通しだ。一方、沖縄側では13日の県知事選で現職の玉城デニー氏を破り、新人の古謝玄太氏が当選した。古謝氏は辺野古新基地建設について、玉城県政の反対姿勢から容認へと転じる方針を示している。
有事の際の自衛隊や海上保安庁の利用を想定してインフラを整備する「特定利用空港・港湾」についても、古謝氏は県管理空港・港湾の指定を認める方針だ。県知事選で政府との対立から協調への転換を訴えて当選した古謝氏は、安全保障政策に関して政府の方針を尊重するものとみられる。
県民の民意と軍事強化への懸念
しかし、本紙などが実施した情勢調査によると、辺野古新基地建設の賛否は拮抗している。これまで新基地建設拒否の民意を顧みなかった政府が、今回の県知事選の結果をもって新基地容認の民意が得られたと考えることは許されないと指摘されている。
高市内閣が進める安全保障3文書の前倒し見直しによる先島地方での自衛隊強化も容認できない。広大な米軍基地を抱え、日米安全保障体制の過重な負担を強いられている沖縄において、これ以上の軍事力増強を受け入れる余地はないとされる。
政府の姿勢と沖縄への影響
15日の自民党役員会で高市首相は「経済、安全保障の面で大きな勝利だ」と述べた。小泉防衛相も17日、「南西諸島の防衛力を強化することは、間違いなく日本、そして沖縄県民の皆さんを守っていくために不可欠だ」と述べている。しかし、これらの発言は基地負担に苦しむ沖縄の実態と真摯に向き合おうとする姿勢がうかがえず、県民は素直に受け入れることはできない。
古謝氏は選挙期間中に「自衛隊の南西シフトには地元の理解が不可欠」と語っており、県民の理解を得られないような軍事力強化には抵抗する必要がある。沖縄担当相に就任した葉梨康弘氏には、沖縄の実情を直視し、県民課題の前進に尽くすことが求められる。基地と振興策のリンクは許されない。