米兵逮捕で軍「運用休止」 日米共同演習こそ停止を 社説
米兵逮捕で軍「運用休止」 日米共同演習こそ停止を

在沖米海兵隊の男が那覇市に住む女性への強盗殺人容疑で逮捕された事件を受け、在沖米軍トップの四軍調整官ワトソン中将は7日正午から9日正午までの48時間、沖縄でのすべての米軍人について「運用」を停止するとの声明を出した。しかし、停止開始後も米軍機の動きが確認されており、その実効性が問われている。

停止宣言後も米軍機の離陸確認

実際には「停止」が始まるとした7日正午以降も、米空軍嘉手納基地から哨戒機や大型輸送機など3機の離陸が確認された。米海兵隊普天間飛行場には外来機が飛来した。所属機の輸送機MV22オスプレイにはカバーが掛けられ飛行はしていないが、機体を見回る米兵の姿があった。

そもそも「停止」すると表明した「運用」とは何を指すのか。日本語の声明文では「作戦運用休止」と訳している。6日に声明を発表後、報道各社からの質問が相次ぎ、四軍調整官が司令官を務める在沖米海兵隊は「基地は任務遂行に必要な移動と必要な個人の移動のために開放される」と一括で回答した。「任務遂行に必要な移動」が許されるなら、「任務」と言えば何でも通るのか、と疑問が残る。

規制措置の前例と「反省期間」の限界

日米が合意している航空機騒音規制措置は、夜間の米軍機の運用や地上での活動を「米国の運用上の所要のために必要と考えられるものに制限される」と規定している。だが、この「米軍の運用上の所要」を理由に、これまで何度も規制措置の制限を超えて「運用」がなされてきた例をわれわれは知っている。

米軍側が、強盗殺人事件で米兵が逮捕された事態を受けて「謹慎」や「哀悼」といった意味で「運用休止」としているならば、十分な対応とは到底言えない。停止期間の2日間も短いと言わざるを得ない。9日から30日間を「反省期間」と位置付けて、午前0時から同5時まで米軍人の外出を禁止する措置もとる。これらの「反省」措置で再発防止につながるのか疑問だ。

県議会と知事の対応、政府への要求

県議会の抗議決議・意見書案は、米軍管理責任者の処分など組織責任の明示などを求めている。日米両政府は、19日から計画されている日米共同統合演習「キーン・ソード」の中止まで踏み込むべきだ。

古謝玄太知事は米兵逮捕後初めて上京し、高市早苗首相や小泉進次郎防衛相、茂木敏充外相らと直接会い、米軍人による事件の再発防止を要請した。併せて、政府と県が基地負担軽減や振興策について話し合う「沖縄政策協議会」の早期開催も求めた。

小泉氏は逮捕当日の4日、いち早くジョスト在日米軍司令官に抗議した。一方で高市氏は交流サイトX(旧ツイッター)で「残忍で極めて遺憾」と投稿、5日の国会での所信表明に先だって言及した。しかし米側には直接抗議などの行動は見受けられない。日本政府として事態を重く見て、県民の反発を抑制しようと早期に対応したのだろう。そうであるならば高市氏自ら米側に直接抗議して「実効性のある措置」を求めるべきだ。

出典:ryukyushimpo.jp