創業43年の「三幸」閉店、次男らが新店舗で味を継承へ 沖縄市銀天街
創業43年「三幸」閉店、次男らが新店舗で味を継承へ

沖縄市照屋のコザ十字路に隣接する銀天街で約43年間、地域に親しまれてきた「そうざいの店 三幸(さんこう)」が8月31日、閉店した。三幸の向かいに事務所を構える写真家・俳人の豊里友行さんの呼びかけで同日、「お疲れ様会」と称して家族や常連客、銀天街の関係者ら計40人余りが駆けつけ、店主の城間幸隆さん(77)の労をねぎらった。

閉店報道後、各地から殺到

参加者からは「寂しい」「次の(注文販売の)店もあると聞いて安心した」などの声が聞かれた。兄の幸一さん(83)や、幸一さんの妻・安子さん(82)ら家族も会に足を運んだ。三幸の開業時、サーターアンダギーの作り方を城間さんに伝授したのが安子さん。城間さんから安子さんへ感謝の思いを込め、花束を贈った。店を43年続けた城間さんについて、安子さんは「偉いなと思う」とたたえた。

会の冒頭、あいさつに立った城間さんは、冠婚葬祭などに使う天ぷら「カタハランブー」の注文も減ったことを踏まえ「大変厳しい状態」と閉店せざるを得ない状況を語った。ただし「閉店が報道されたら(利用客が)殺到した。糸満や名護から同級生が来たり、カタハランブーが食べたいということで、那覇から80歳のおばあちゃんも来た」と笑顔で話す。「43年間やってきたが、特に銀天街、照屋地域の皆さんに大変お世話になった」と感謝した。

新たな挑戦の場

2014年に解散した銀天街商店街振興組合で青年部長などを務めていた仲田健(たかし)さん(53)や、次男の一太(いった)さん(30)も参加した。一太さんは、弟の一心さん(27)と一緒に、銀天街の一角にある父の店舗を受け継ぎ、バーや、独立・起業を目指す人の「チャレンジスペース」を兼ねた新店舗「START LINE」を11月にもオープンする。城間さんは、同店内を拠点に、主に注文形式でカタハランブーやサーターアンダギー、重箱などの販売を計画している。

三幸の閉店について聞いた際に驚いたと振り返る一太さんは「味も残したい。本人も元気だし、やめなくていい。一緒にやらないかと(城間さんに)伝えたら、乗ってくれた」と明かした。

100歳の恩人に花束

閉店後の夜、城間さんは三幸の元従業員・森屋ハツさん(100)の自宅を訪れた。創業時にカタハランブーの作り方を教えてもらった恩がある森屋さんに花束を手渡し、感謝の思いを伝えた。

城間さんは年内にも新たな店舗で注文販売を開始する計画を見据え「カタハランブー、アンダギーは沖縄の伝統文化。肉体的にも、まだまだやりきったということではなく、伝統文化を残していきたい」と思いを新たにした。