「あまり振り返りたくない。つらい思い出だから」――大城朝徳さん(90)は、戦時中の記憶を子や孫に語ることはほとんどない。7月14日にうるま市で取材に応じ、ぽつりとそう話した。
大城さんは具志川村(現うるま市)塩屋の生まれ育ち。かやぶきと土壁の小さな家で、祖父母と3人で暮らしていた。「それはもう貧乏でね」と振り返る。口にしていたのは、ハエがたかるサツマイモと、塩とみそをといた汁物くらい。具のない汁物には、自分の顔が鏡のように映ったという。長男でひとりっ子だった。
空腹で芋を探す毎日
戦争が激しさを増す中で、空腹を満たすために芋を探す日々を送った。極限状態の中では、人を助けることもできなかった。しかし、その詳細を語ることはない。「あまり振り返りたくない」。それだけを伝えた。