全国的に増加している喉のがん(咽頭がん)が沖縄県でも増えている。喉は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分類され、症状として喉の違和感、しみる感じ、飲み込みづらさ、首のしこりなどがある。
中咽頭がんとHPVの関連
咽頭がんの中でも中咽頭がんと下咽頭がんが多く、従来は喫煙や飲酒が主な原因とされてきた。しかし近年、中咽頭がんにヒトパピローマウイルス(HPV)が関与していることが明らかになり、HPV関連の中咽頭がんが増加している。中咽頭は扁桃や舌の奥、軟口蓋などからなり、飲み込みや呼吸に重要な部分で、がんになると手術や放射線治療で治癒しても後遺症が残る場合がある。
HPVワクチンの予防効果
HPVワクチンは子宮頸がん予防だけでなく、中咽頭がんにも予防効果がある。日本では女性への定期接種が定められているが、男性でも9歳以上で任意接種が可能だ。欧米では2000年代から男女ともに接種が行われ、イギリスやカナダでは定期集団接種で接種率約80%、米国では約60%の接種率で、このまま接種を続ければ2100年には中咽頭がんを約半数に減らせるとの予測もある。
日本では男性のHPVワクチン接種は有償だが、東京都など助成を行う自治体が増えている。接種は若年者ほど有効で、男性が接種することで女性の子宮頸がんも減少が期待できる。適齢の女性は積極的に接種し、男性も興味があれば医療機関への受診が勧められる。(須藤敏、県立中部病院耳鼻咽喉科=うるま市)