沖縄の天然記念物カメ密輸、中国人被告に有罪判決 背景に金銭問題
沖縄の天然記念物カメ密輸、中国人被告に有罪判決

子どもの頃から小動物が好きでカメを育てていた中国籍の20代の青年、李文(仮名)。しかし、金銭に困った時、カメは稼ぐ手段となった。沖縄に生息する天然記念物のカメ100匹以上を捕獲したとして、2026年2月下旬に有罪判決を受けた。県内では、ペット用に高く売買される希少動物の違法な捕獲・持ち出しが相次いでいる。

罪の重さ

李文は2025年9~10月、久米島や竹富町西表島で国の天然記念物で絶滅危惧種のリュウキュウヤマガメやヤエヤマセマルハコガメを密売目的で捕獲し、中国(香港)へ持ち出そうとした。2026年2月の那覇地裁判決で、種の保存法違反と文化財保護法違反の罪で拘禁刑1年と罰金20万円が言い渡された。

李文と共謀した中国籍の男女3人は種の保存法違反と関税法違反の罪に問われ、拘禁刑1年2カ月~1年6カ月の判決を受けた。裁判官は、希少生物を香港に密輸し高額の利益を得ようとした4人に対し、厳しい姿勢を示した。

カメを「カネ」に

沖縄地区税関が押収したリュウキュウヤマガメは、2025年10月24日に那覇市おもろまちの同税関で公開された。1匹57万円という高値で闇取引される実態が明らかになっている。李文は月収40万円だったが、なぜ犯罪に手を染めたのか。拘置所での面会や裁判を傍聴し、事件の背景を取材した。

中国社会の苦悩も浮き彫りになった。李文の母は駆け付け、法廷で証言するなど、家族の絆が見られた。しかし、金銭的なプレッシャーが彼を違法行為へと駆り立てた可能性が指摘されている。