名護市辺野古沖で船が転覆し、同志社国際高校の生徒ら2人が死亡した事故を巡り、高校を運営する学校法人同志社(京都市)は記者会見を開き、教育の中立性などを検証する検討委員会の概要や安全管理面の対応について説明した。
検討委員会の設置経緯
同志社は「教育の中立性および適切性に関する検討委員会」を10月22日付で設置した。教育内容が特定の見方に偏っているとの文部科学省の指摘を受け、外部専門家による委員会を設けた。
記者会見は事故が起きた3月以来初めて。出席した同志社の八田英二理事長は、中立性についての認識を問われ「平和学習は多面的な見方を教えるべきだが、一つの見方だけで行われたことは問題で、見直していくべきだと考えている」と述べた。「責任を重く受け止める」とも述べ、辞任の意向を改めて表明した。
遺族の要望と検証の課題
亡くなった武石知華さん=当時(17)=の両親が中立性や公平性を確保した形での検証と、その体制の公表を要望しており、同志社はこれを受け入れて第三者による検討委員会を設置したが、対応が後手に回ったことは否めない。
事故から7カ月余り。学校側の検証作業が進むが、もう一つの当事者である、船を運航したヘリ基地反対協議会側の作業が見えてこない。武石さんの両親は10月18日、ヘリ基地反対協議会の共同代表らと面会し、父親は組織としての検証が進んでいないと厳しく指摘した。
平和学習への影響
政治的中立性を巡り、文科省が教育基本法違反を指摘したのは、今回の同志社国際高校のケースが初めてだ。同志社の判断が、沖縄を含む全国の学校の平和学習に影響を与える可能性がある。
沖縄が重い基地負担を背負い、事件事故が後を絶たない事実は、日本の安全保障の一面だ。平和の在り方を考える上で、その現状を知り、学ぶことは重要であり、教育の中立性から外れることではない。文科省による中立性の指摘が、平和学習を進める妨げになることがあってはならない。