[社説]ジャングリア苦戦 「強い経済」の試金石だ
[社説]ジャングリア苦戦 「強い経済」の試金石だ

昨年7月に開業したやんばるのテーマパーク「ジャングリア沖縄」が苦戦している。運営会社の親会社「ジャパンエンターテイメントホールディングス」(JEHD)の最終赤字が約173億円に上ったことが明らかになった。開業1年間の決算だ。

追加融資とスポンサー探し

25日に開かれたJEHDの株主総会では、当面の資金として沖縄振興開発金融公庫から約30億円の追加融資を受けるめどが立ったことや、新たなスポンサーを探す方針が示されたという。

需要予測のズレなどが不振の理由とされるが、当初計画が妥当だったのかを含め、今後どのように財政基盤の安定化を図っていくのか、不退転の決意で臨まなければならない。

来場者数は目標の3分の2

ジャングリアは、総事業費約700億円をかけて建設された。森岡毅氏率いるマーケティング会社「刀」が手がけ、筆頭株主ともなっている。県経済界の期待も大きく、株主の7割は地元企業が占める。

しかし業績は芳しくない。この1年間の来場者数は約100万人で、目標とした150万人を大きく割り込んだ。

沖縄公庫からの30億円の融資もあくまでつなぎで、新たなスポンサーが見つからなければ「パーク自体がなくなる恐れがある」と話す株主もいる。

半世紀前、海洋博を当て込んだ投資が回収できず、ホテルや土産品店が次々と倒産し、一部は放置されたまま廃虚と化すなどした「海洋博ショック」が頭をよぎる。

「強い沖縄経済」への課題

沖縄振興が目指す自立的発展の核となるのが、民間主導による「強い沖縄経済」の実現だ。

ジャングリアは一企業の挑戦ではあるが、北部地域活性化の起爆剤として、住民の期待を背負って船出した。やんばるの大自然を背景に、沖縄の優位性を生かした取り組みとして、どう持続可能なものにするかは、「強い経済」の本質的な部分でもある。

沖縄観光は好調で、2025年度の入域観光客数は1093万人と過去最多を更新した。美ら海水族館には同年度360万人余が訪れている。

北部を訪れる観光客を取り込む具体的集客戦略と、赤字脱却に必要な経営再建策が急務である。さらなる経営努力を求めたい。

説明責任の重要性

JEHDの株主総会で、決算報告書は示されなかったという。株主に配布した資料も回収され、総会の内容についても明らかにされていない。

地元とともにパークを進化させることが目標だとしていたのに、残念な対応である。先行きを心配している県民も少なくない。取引事業者も不安を感じているのではないか。

経営が行き詰まれば株主だけでなく、地元にも大きな影響を及ぼす。企業には地域に支えられているという意識を持って、説明責任をしっかりと果たしてほしい。

出典:www.okinawatimes.co.jp