沖縄県今帰仁村で昨年開業したテーマパーク「ジャングリア沖縄」について、日本遊園地学会会長の塩地優氏が現地を歩いて調査し、メインアトラクションの課題を考察した。口コミでは「恐竜が追ってこなかった」「アトラクション数がそもそも少なく、乗れる数が限られている」など厳しい意見が聞かれる。主導する刀(大阪府)代表の森岡毅氏が当初「ディズニーランド、USJに次ぐ第3の選択肢」と述べていたこともあり、期待と現実のギャップが大きかったことが影響したようだ。
参加型演出の難しさとテンポの違和感
恐竜が追いかけてくる設定の「ダイナソーサファリ」やバギーなど、メインどころのアトラクションについて、塩地氏は「ノリについていけるか、参加型演出の難しさ」を指摘する。来園者が積極的に参加することを前提とした演出は、初めて訪れる人や恥ずかしがる人にはハードルが高く、結果として演出が空回りする場面が見られたという。
また、TDL・USJとの比較では「テンポと設定に残る違和感」が浮き彫りになった。アトラクションごとの展開スピードや、ストーリー設定の自然さにおいて、既存の大手テーマパークと比べると改善の余地があると塩地氏は分析する。
距離の近さが生む推し体験とショーの課題
一方で、塩地氏は「距離の近さが生む、推し体験」を評価する。キャラクターや恐竜との物理的な近さは、来園者に強い没入感を与える要素であり、これはジャングリア独自の強みになり得るという。
しかし、「ショーに足りない『もう一つの選択肢』」として、演目構成の単調さを課題に挙げた。USJのジョーズが魅せる起承転結のある展開には、迫力や緊迫感あふれる体験の中にストーリーの起伏があり、その構成がジャングリアのショーには不足していると指摘する。
休憩空間とシングルライダーの利便性
来園者に優しい設備として、塩地氏は「お菓子取り放題!来園者に優しい休憩空間」に注目した。また、「シングルライダーなら待ち時間0分」というシステムは、一人で訪れる来園者にとって大きな利点であり、待ち時間の短縮に貢献していると評価する。
一方で、協力型アトラクションについては「課金ありの複雑ルール、初対面には難しい協力型」と課題を挙げた。複雑なルールを理解するのに時間がかかり、初対面の来園者同士が協力するのは難しいという。その上で、「『Q-ZAR』に学ぶシンプルな奥深さ」として、シンプルながらも戦略性のある設計が、体験人数を増やしスタッフ数を減らすことにつながると提言した。