キーン・ソード開始へ 沖縄の負担軽減策の具体化を
キーン・ソード開始へ 沖縄の負担軽減策の具体化を

日米共同統合演習「キーン・ソード」が19日から始まる。11日間の日程で、自衛隊約4万5千人、米軍約1万2千人のほか、オーストラリアやフランスなど7カ国の部隊も参加し、参加人数や演習規模は南西諸島で過去最大となる。

台湾近接の3島にミサイル部隊展開

演習では、台湾に近い与那国、石垣、宮古の3島を中心に日米のミサイル部隊や航空機、艦艇を展開する。与那国島には米軍の最新型地対艦ミサイルシステム「ネメシス」と防空統合システム「マディス」を初めて配置。石垣島には両システムに加え、高機動ロケット砲システム「ハイマース」も投入される。

射程約210キロとされるネメシスは、与那国島から台湾周辺を射程に入れ、長射程ミサイルの運用能力を高める狙いがある。県内外の自衛隊施設からも多数の対艦・対空ミサイルを運び入れ、島々を結ぶ通信訓練や日米共同の指揮調整を実施する。

過重な負担と安全面の懸念

政府と自衛隊は厳しさを増す安全保障環境への対応として抑止力と対処力の向上を強調するが、台湾に近い島々へのミサイル配備と実戦想定の演習は周辺国を刺激し、軍拡の悪循環や安全保障のジレンマを招く恐れがある。演習規模の拡大は衝突や事故の危険も増している。

古謝玄太知事は、キーン・ソードについて安全対策の徹底と県民生活や事業活動への影響を最小限とするよう求める。一方、日米のオスプレイ使用に関しては、県内配備から10年以上が経過したことなどを踏まえ「使用や配備の撤回は現実的ではない」と述べ、知事が「容認」姿勢を示すのは初めてだ。

しかし、2024年には自衛隊オスプレイが与那国駐屯地から離陸した際、左側の翼を地面に接触し損傷する事故が起きており、安全性の懸念は払拭できない。オスプレイ配備を巡っては過去に10万人以上が結集した県民大会で撤回を突き付け、全県議と市町村長らが署名した建白書を政府に提出している。知事の「容認」は建白書に相反する。

沖縄政策協議会で具体策を

古謝知事は基地負担軽減を求める立場だ。沖縄には米軍基地が集中し、自衛隊施設などの増強も続く中、防衛力強化を進める政府の下で演習や訓練の負担が重なり、量・質ともに過重な負担を強いられている。

11月には政府と知事が協議する「沖縄政策協議会」が約13年ぶりに開催される見通しだ。日米共同演習の在り方を含め、沖縄の基地負担軽減をどう進めるのか、政府と知事には具体的な道筋を示すことが求められる。

出典:www.okinawatimes.co.jp