沖縄県が進める大型MICE施設構想について、経営コンサルティング事務所リボルブ代表で沖縄国際大学非常勤講師の鮫島智行氏による連載が始まった。計画から10年以上が経過し、建設費や人手不足、市場環境など当初の前提が大きく変わった現状を検証する。
構想の原点と現在地
現在、沖縄県では大型MICE施設、J1規格スタジアム、鉄軌道構想、本島北部地域のインフラ整備など、将来の沖縄の姿を左右する大型開発の議論が進んでいる。これらは地域経済や交通、生活に大きな影響を与える可能性を持つ一方、多額の費用や長い事業期間を伴う。
大型MICE施設構想では、与那原町と西原町が候補地として選ばれた。当初は3万平方メートルの巨大構想だったが、10年で前提条件が大きく変わった。
「大きなハコ」だけでMICEは来るのか
仮に1万人規模のコンベンションを開くなら、会場周辺には数千室規模の宿泊施設が必要になる。果たして、それだけのホテルや飲食店を「平時」も維持できるのか、という課題がある。
食事や宿泊も誘致競争の一部であり、1万人を受け入れるには何室必要かという具体的な検討が必要だ。「大きなハコ」を造るだけではMICEは来ないという視点から、沖縄型MICEの成立条件を検証する。
連載の概要
この連載では、構想の原点と現在地をたどりながら、数字だけでは見えにくい沖縄型MICEの成立条件を検証する。鮫島氏は東京都生まれで、琉球大学農学部を卒業し、九州大学大学院理学府修士課程を修了。博士後期課程を単位取得退学した経歴を持つ。
事業会社で営業・人事・経営企画を経験した後、コンサルティング会社やシンクタンクで組織調査、人事アセスメント、研修開発、自治体の調査・計画策定、企業・地域振興支援などに従事。2014年に独立し、現在は自治体の調査・計画策定や企業に対する商品企画・組織開発・人材育成支援を行うほか、沖縄国際大学でキャリア教育を担当している。