米軍事件抑止で日米交渉 地位協定改定が不可欠だ
米軍事件抑止で日米交渉 地位協定改定が不可欠だ

在沖米海兵隊員が強盗殺人容疑で逮捕された事件を受け、高市早苗首相は日米両政府で再発防止策に向けた協議に入ったことを明らかにした。政府は米側に捜査への全面協力や綱紀粛正、再発防止の徹底などを求め、日米のハイレベル実務者を中心に協議を進めるという。

リバティー制度の機能不全

米軍はリバティー制度を運用しているが、外出規制時間帯にも事件・事故は起きており、制度が順守されているとは言えない。在日米軍は2024年に同制度を見直し、午前1~5時に兵士が公共の場で飲酒することなどを禁じた。19歳以下の軍人は同時間帯の外出が禁止され、違反を取り締まるため日米合同巡回にも取り組んでいる。

今回の事件を受け、在沖米軍は夜間の外出制限などを含む30日間の「反省期間」を設けた。しかし、リバティー制度が事実上機能していないことを鑑みれば、今回の措置も対症療法に過ぎない。

地位協定の不公平さ

今回の事件では、地位協定が直接的に捜査に影響することはなかった。しかし、事件が繰り返される背景には米軍の規律の乱れだけでなく、日本側の捜査権や逮捕権、裁判権が米兵には十分に及ばないという地位協定上の不公平さがある。

米軍人らが公務外で犯罪を起こした場合は日本に第1次裁判権があるが、容疑者の身柄が米側にあれば、日本側は起訴後まで拘束できない。公務外の事件でも起訴前に日本側が身柄を拘束できるよう、地位協定を改めるべきだと指摘されている。

基地負担の集中

県議会の抗議決議は地位協定の抜本的改定を求めている。日米協議では基地が所在する地元の意見を積極的に取り入れ、協議内容や検証結果を公表するなど開かれた議論が行われるべきだ。

さらに、事件の根絶へ向けては、沖縄に基地負担が集中する構造を変えることが必要だ。日米特別行動委員会(SACO)合意、米軍再編を経ても負担軽減は進まない。日米両政府は新たな被害を生まないために、在沖米軍基地の整理縮小と海兵隊削減を加速させねばならない。

被害者への誹謗中傷に遺族が悩まされている。政府にはそれらの言説を許さない姿勢を明確に示し、厳正に対処することも求められている。

出典:ryukyushimpo.jp