沖縄県うるま市の県道10号(海中道路)で9月、練習中の競技用車いすに軽貨物車が衝突する交通事故が発生し、パラ陸上選手の上与那原寛和さん(55)が亡くなった。この事故を受け、競技用車いすの法律上の位置づけを明確にするよう求める声が上がっている。
競技用車いすの速度と法律の課題
競技用車いすは、平地で時速30キロを超える速度を出すことができる。しかし、現在の法律では歩行者として扱われることが原則とされており、車道を走行する際の明確なルールが定められていない。
事故を受けて、警察庁は競技用車いすの車道通行について「例外」を適用するという見解を示した。原則は歩行者として扱うが、競技用車いすの特性を考慮して車道走行を認めるという内容だ。
県内の練習環境の限界
沖縄県内では、競技用車いすの練習環境が限られている。パラ選手たちは安全に練習できる場所を求めており、今回の事故を受けて、練習環境の整備とともに、法律上の位置づけを明確にすることが求められている。
上与那原さんは車いすマラソンのパラメダリストとして知られ、「パラ界のレジェンド」とも称されていた。その突然の死に対し、県民からは「挑戦する姿に力をもらった」といった悔やむ声が上がっている。
今後の課題
玉城デニー知事は、上与那原さんを「誇れる唯一無二の方」と評し、その死を悼んだ。また、山内徳信氏に対しては「自治の鑑」と述べるなど、県内の関係者からも惜しむ声が相次いでいる。
今回の事故を教訓に、競技用車いすの安全な走行環境と法的整備の両面での対応が急がれる。