3日に沖縄県那覇市若狭で発生した女性強盗殺人事件で、県警は4日未明、米海兵隊員の男を強盗殺人の容疑で逮捕した。容疑者を発見したのは、事件が明らかになってから約19時間後の3日午後11時半ごろ。名前も身元も不明な段階から逮捕に至るまでの急展開の決め手は、容疑者の両腕のタトゥーを見逃さなかった捜査員の眼力だった。
日米地位協定と捜査への影響
日米地位協定では、日本が裁判権を行使する米軍人・軍属について、米軍側が先に身柄を押さえている場合は、検察が起訴するまで米軍が身柄を拘禁すると定められている。殺人などの「凶悪な犯罪」については日米合同委員会合意で米軍側が「好意的な考慮を払う」とされている。今回、県警が容疑者を拘束したことで、米側の「好意的な考慮」を求める必要はなくなり、早期の真相究明と事件解決に向けて捜査を加速させたとみられる。
特別捜査本部と見当たり捜査
県警は事件を覚知した後、全県に緊急配備を敷いた。現場の防犯カメラ映像に残された姿が外国人風だったことなどから「あらゆる可能性を考慮して」米軍など関係各機関に協力を要請。しかし、容疑者の足取りの捕捉は進まず、時間だけが過ぎた。
県警は3日夕、那覇署に刑事部長以下197人体制の特別捜査本部を設置し、容疑者の早期発見に全力を挙げた。捜査員らは各班に分かれ、県内各地で捜索を継続。私服姿の捜査員が容疑者の顔写真や身体的特徴を記憶し、繁華街などの雑踏の中から似た人物を見つけ出す「見当たり捜査」に当たった。
タトゥーを見逃さなかった捜査員
3日午後11時すぎ、沖縄市の繁華街で捜索中の捜査員が、防犯カメラ映像で頭に刻み込んでいた「特徴的な両腕のタトゥー」を見逃さなかった。すぐに本部へ連絡し、逃走を許さないよう体制を整えた上でバラード容疑者に声をかけ、沖縄署まで任意同行。その後の逮捕につなげた。
県警本部刑事部捜査1課の上江田幸宜次席は、防犯カメラ映像の提供など捜査への協力があったとして「県民や関係者の協力のおかげと、捜査員の執念により早期の容疑者逮捕に至った」と語った。