県外で「沖縄から来ました」と自己紹介すると、「沖縄はいいところだよね」「海もきれいだし、人も優しい」といった言葉をかけられることが多い。沖縄で生まれ育ったことに誇りを感じる瞬間だ。
一方で、沖縄の「働く」に目を向けると、1人当たり県民所得は全国最下位、非正規雇用率は全国1位、労働生産性も全国最下位など、厳しい現状がある。
働く人から聞こえる諦めの声
実際に働く人からは「生きていくために働いているだけ」「仕事なんてそんなもの」という言葉も聞かれ、諦め気味で疲れた表情をして働いている人が多いと感じる。沖縄の学生からも「働くことは大変だというイメージ」「楽しく働いている大人を見たことがない」という声をよく耳にする。
観光地としては憧れられている島なのに、仕事はつらくて大変なものという空気があり、働いている人が生き生きしていない。筆者はそんな状況を残念に思っている。
人の力が組織の成長につながる
観光地としてだけでなく、働くことについても沖縄が憧れられるような島にしたい。「沖縄で働いている人ってとても生き生きしていて楽しそうだよね」と言ってもらえる沖縄を目指したいと強く願っている。
そのためには、働く人一人一人が本来持っている力を発揮できる組織づくりが重要だ。働く人が生き生きと力を発揮することは、個人の幸せだけでなく、組織の「稼ぐ力」にもつながる。一人一人の力が組織の力となり、組織の成長がまた人の成長につながる。人と組織が互いの力を生かし、共に豊かになる。
人的資本経営への注目
こうした考え方は「人的資本経営」と呼ばれ、近年注目を集めている。次回は、人が力を発揮し成長できる環境をつくるための具体的な取り組みについて伝える。(コズミックコンサルティング代表取締役)
次回はククルビジョン代表の宮平貴子氏。