沖縄県は17日、ヤシガニに含まれた動物性自然毒のネリイホリンによる食中毒が発生したと発表した。宮古島市内のレストランでヤシガニを含む食事をした県外からの旅行者2人が、下痢や嘔吐、倦怠感などの症状を訴えた。宮古保健所は同日付で、同店に17日の1日間の営業停止を命じた。2人は現在は症状が回復しているという。
27年ぶりの行政処分
沖縄県内でヤシガニによる食中毒で行政処分を行った事例は1999年以来、約27年ぶりとなる。
ヤシガニは沖縄を含むインド・西太平洋の熱帯・亜熱帯に生息する甲殻類で、県内では古くから食用とされている。県薬務生活衛生課の担当者は「すべてのヤシガニが有毒というわけではない。まれな例」と説明する。今回の事例は、ヤシガニが有毒成分を含む植物を食べ、体内に毒素を蓄積した可能性もあるという。ただ、ヤシガニの毒化の仕組みや毒素が蓄積する部位など、詳しく分かっていない点も多いという。
発症から入院までの経緯
県薬務生活衛生課によると、2人は9月2日夕、同店でヤシガニを含む食事をし、同日夜から症状が現れた。翌3日にクリニックを受診したが改善せず、4日に別の医療機関を受診し入院。検査の結果、2人の血液からネリイホリンが検出された。食事や行動状況を調べたところ、保健所はヤシガニを原因食品とする食中毒と断定した。2人は同7日に退院した。
県が注意呼びかけ
県はヤシガニを食べて体調が悪くなった場合は、すぐに医師の診察を受けるよう、県民や観光客に注意を呼びかけている。